レギュラー番組/菅原明子の「エッジトーク」

●ゲスト--医師・厚生労働医系技官、木村盛世さん
≪医師、そして医系技官として厚生労働省に勤務している木村盛世さんは講談社から「厚生...≫


医師、そして医系技官として厚生労働省に勤務している木村盛世さんは講談社から「厚生労働省崩壊」を出版し、厚労省のあり方に現役キャリアの視点で内部から警鐘を鳴らしました。厚生労働省は国民の健康と安全を守ることができるのか。木村さんが本の中でテーマにしたバイオテロ対策と新型インフルエンザ対策を例にお話を伺いました。

菅原:この厚生労働省崩壊というタイトルがものすごくて、なんかガラガラと崩れ落ちるような音が聞こえてくるようなタイトルなんですが、すごく反響あったでしょ。

木村:そうですね、内部の人間からは直接私の方に何も言ってこないのでよくわからないんですけど、少なくとも外部の方達は一般の方達、あるいは病院関係者の方達ですね。そういう方達は私のサイトを通じてたくさんのメールをくださいまして、ほとんどすべてが応援メールでした。そういう意味では反響が大きかったといえると思います。

菅原:そうですね。実際のところは厚生労働省が素人の集団なのか、プロフェッショナルな集団なのかというところがすごく問題なんですけど、この本の中身をお読みしたところ、スペシャリストというのがあまりにもいなくて、普通、文化系の技官みたいな人の大集団だと。だから、それじゃ仕事ができないんじゃないの。というふうな、そのクレームというのは本当にびっくりしたんですけど、そんな感じなんですか。

木村:間違いなくスペシャリストがいないというか、ほとんど素人集団であればまだ話は別だと思うんですね。というのは、外部から人を呼んでくればよいだけの話ですから。ただ、一番問題なのはグレーみたいな、白とも黒ともつかないような、プロでも素人でもないような集団が実際の医療を決めているというのが問題なんですね。そのグレーの集団というのが医系技官。私もそのうちの一人でありますけれども、医師という免許を持った官僚ですね。そういう人達がいるのが一番問題なんじゃないかなと思います。

■木村 盛世(きむら もりよ)

医師/厚生労働医系技官。筑波大学医学群卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了(MPH[公衆衛生学修士号])。

優れた研究者に贈られる、ジョンズ・ホプキンス大学デルタオメガスカラーシップを受賞する。内科医として勤務後、米国CDC(疾病予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネイターを経て財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官。専門は感染症疫学。

続きは、7月22日(水)・7月29日(水)23:00~23:30・ラジオ日本「菅原明子の『エッジトーク』でどうぞ!