先日、ラジオ収録日記でご報告した建築家・安藤忠雄さんがテレビ番組にもお越しくださいました。今日も、あの素晴らしい自伝『建築家 安藤忠雄』についてのお話が楽しかったのですが、世界を股にかけて活躍する人はどんな人か、世界中で多くの人が憧れ、尊敬する人はどう生きているのか、少し安藤さんの実像に迫れたような気がします。
この本を書いたきっかけは、「いまのような世界的不況の時代、明るい将来への期待が少ない時代だからこそ、お金がなく、学歴もなかった自分のように可能性がない人間が、どのようにして可能性をつくってきたのか」を残したかったからと、おっしゃいます。
お話では、ユーモアに溢れながらも、激しく厳しい人生観をうかがうことになりました。心に突き刺さるような言葉がいくつもありましたので、今日の収録日記はそのなかから3つを記録しておくことにしておきたいと思います。
「失敗をしても命まで取られるわけではないから、どんどん失敗したらいい。人生は一度きり。やりたいことをやって、それでダメだったら諦めればいいだけの話」。
「昔の日本人は、がむしゃらに働いて未来を築いてきたけれど、いま、がむしゃらに働く日本人はいなくなった。日本人は、世界でも下から数えたほうが早いぐらい劣等民族になってしまったように思う」。
「いつも気を張り詰めて勉強している。同時に、世界のレベルを見渡している。自分と世界、その両方を見ていないと、緊張の糸が切れますよ。やっていくことはできません」。
いまでも事務所のスタッフを怒鳴りつけ、ときにはモノも投げつけるという安藤さん。24時間、全力疾走をしているのでしょう。「60代になって守るものはなにもないから、走れる限り走り続けますよ」と、おっしゃっていました。
一端でもいいですから、世界的な建築家の大きさと強さを番組でお伝えできればうれしく思います。ぜひ、ごらんください。
お話の続きは、2009年2月15日(日)15:00~15:30・BS朝日、2009年3月1日(日)9:30~10:00・再放送「菅原明子の『一期一話』でどうぞ!