今日のゲストは、建築界のカリスマ・安藤忠雄さんがお越しくださいました。ホームベースは大阪ですが、東京の、しかも近年の作品だけをとっても、地下鉄副都心線・渋谷駅、表参道ヒルズ、コレッツィオーネ……と、話題沸騰の建築を手がけていらっしゃいます。
現代日本が誇るヒューマンバリューの代表格である安藤さんは、自伝として『建築家 安藤忠雄』(新潮社)を著しました。建築に携わっている人はもちろん、いまを懸命に生きている人にとっては必見の一冊です。これまでの建築写真と一緒に配置されている荒木経惟さんの写真が素晴らしいこと。
それについてうかがうと、「驚いたことに、荒木さんは1000円のカメラで撮ってくれたんですよ。写真はカメラの値段で撮るものじゃないと、言ってね」(安藤さん)。こうして、笑いに溢れながらも含蓄に富んだインタビューが始まりました。
収録を終えて、とても温かい気持ちになれたのは、世界で活躍していらっしゃる安藤さんが日本と日本人に対して、たいへん大きな夢と希望、期待をもっていらっしゃることでした。世界的に経済危機が広がり、明るい展望が見えない今日ですが、安藤さんは「この状況を打開するのは、日本だ」と、おっしゃるのです。
「日本人はとても民度が高い国民です。忍耐力も持続力もあるのです。こういう時代にありながら、日本人の『考える力』をもってすれば、なんとか糸口がみつかると思います」。
安藤さんは、現在、東京湾のゴミの埋立地を民間の植樹によって緑豊かな森に変える「海の森プロジェクト」を推進中。それも「自然と共存してきた日本人は、自然に対する感受性が世界一高い国民」という信頼があってこそのプロジェクトです。
わが家では、家族全員が一口1000円の募金に参加しました。ご関心がある方は、東京都にお問い合わせするか、東京都のホームページをごらんください。