レギュラー番組/菅原明子の「エッジトーク」

●ゲスト---天野節子さん『氷の華』著者
≪放送日・2008年12月3日(水)・12月10日(水)23:00~23:30・ラジオ日本≫


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今年の9月、米倉涼子さんの主演で話題になったテレビ朝日の開局50周年記念ドラマスペシャル『氷の華』をごらんになった方も多いと思います。今日のゲストは、その原作者である天野節子さん。

幼稚園の教諭を経て、現在は知育教材の開発の仕事をしている天野さんがこの作品を書き始めたのは56歳のときだったのだとか。それがデビュー作となりました。

ストーリーは、原作をぜひ読んでいただきたいのですが、第一級のミステリーです。誰が犯人なのかは最初からわかっている。しかし、犯人は追い詰められたあとも最後の最後まで動機を語りません。それは、天野さんが書き始めるときから決めていた構想なのだそうです。

「結末がどうであれ、それは主人公が懸命に生きた行先なのです」。なんだか、殺人を犯した主人公に共感できるような気がします。でも、読む者がそう思えるのは、骨太のプロットと緻密なディテールがあったからこそ。

「犯人を描くときは犯人に感情移入しますから、追われる者の心理でぐったりと疲れました。でも、追う刑事を描くときは、なかなか追い詰められない焦燥感があって、それはそれで疲れるのです」。番組のトークでは、このほかにも作品づくりの裏話や執筆の方法、そして主人公たちへの思い……と、作者からでなければ聞けない話をたくさんうかがいました。

「ずっと仕事一筋の人生でした。でも、幼児相手の仕事は一生続けられるものではありません。仕事を終えたら、どうなってしまうのだろう? その前に、仕事のほかにも打ち込めることを探してみよう」と考えたときの答えが推理小説を書くことだったと、おっしゃいます。

番組の後半でうかがった天野さんの人生観や執筆への思いは、これからの人生を考える同世代の人々を大いに勇気づけるにちがいありません。

お話の続きは、12月3日(水)・12月3日(水)23:00~23:30・ラジオ日本「菅原明子の『エッジトーク』でどうぞ!